コラム─ Column ─
2022.03.03

【専門家監修】美肌菌とはどのような存在?肌バランスを整えるポイントも解説

「テレビや雑誌で見かける美肌菌ってどんな菌?」
「美肌菌をたくさん作る方法やポイントはあるの?」
美容に関心のある方なら、美肌菌について詳しく知りたい、美肌菌でキレイな肌を作る方法があるとしたら知っておきたいと思うのではないでしょうか。

 

じつは、美肌菌は肌のコンディションを整えればだれにでも増やせるのをご存知でしょうか。この記事では、美肌菌が好む環境や、増やす方法、減らさない工夫などを具体的に解説しています。

 

美肌菌を育てるための注意点や、化粧品の選び方もお伝えしているので、読み終えるころには美肌菌について正しい知識が備わっているでしょう。

 

ぜひこの記事を参考にして、美肌菌を育てて肌の状態を整えていきましょう。

肌の状態をよくする美肌菌とは?

「美肌菌」とは肌を健やかに保つ菌で、肌にいる皮膚常在菌です。人の顔には数千種類、数十億もの皮膚常在菌がいて、人によって組み合わせや割合が違います。

 

皮膚常在菌の中でも「美肌菌」は保湿効果のあるグリセリンを作りだし、外部の刺激から肌を守って修復する働きがあります。美肌菌が多い肌は、肌トラブルを招く悪玉菌が少なく、肌のあかみやざらざら感がありません。

肌には大きく分けて3種類の皮膚常在菌がいる

人の肌には、肌を作る善玉菌、肌の状態によってよくも悪くもなる日和見菌、肌トラブルの原因になる悪玉菌がいます。これらをまとめて皮膚常在菌といいます。

 

それぞれ肌の状態によって割合が変わるので、善玉菌、日和見菌、悪玉菌がどのような状態で増えたり減ったりするか知っておくと、より良い肌作りにとても役立つでしょう。

美肌菌とも呼ばれる善玉菌

美肌菌とも呼ばれる善玉菌の代表は、表皮ブドウ球菌、真菌(マラセチア菌)です。善玉菌は弱酸性を好み、汗や皮脂をエサにうるおい成分のグリセリンを作って皮膚を保護してくれます。

 

とくに、表皮ブドウ菌は黄色ブドウ菌に対し、抗菌ペプチドを生成して肌を守ります。表皮ブドウ菌は皮膚の表面の角質層にいるため、減らさないためには肌の乾燥を防ぎ、肌を洗いすぎないなどの対策が必要です。

日和見菌

日和見菌とはその名のとおり、肌の状態によって良い働きもすれば悪い影響を与える菌のことです。

 

日和見菌で有名なのはアクネ菌です。アクネ菌は本来、肌のうるおいを保つ働きがありますが、増えすぎるとニキビの原因になってしまいます。

 

アクネ菌は酸素を嫌って毛穴や汗腺に隠れているため、皮脂が増えて毛穴がふさがるとニキビができるのです。アクネ菌は表皮ブドウ菌より数が多いので、皮脂を増やしすぎない工夫が必要です。

悪玉菌

悪玉菌のおもなものは黄色ブドウ球菌です。健康な人の約20%〜30%が保菌しており、手指や鼻、のどなどにいて傷を化膿させたり、食中毒の原因になることで知られています。

 

黄色ブドウ球菌とは、平常時は毛穴に存在する害がない菌で、増えすぎると肌の乾燥、かゆみや吹き出物、炎症を起こします。悪玉菌を増やさないためには、肌を弱アルカリ性に保って善玉菌を増やすことが大切です。

皮膚常在菌のバランスは肌の状態に影響する

皮膚常在菌のバランスが崩れると肌トラブルが起こります。

 

たとえば、表皮ブドウ菌が減ってしまうと、肌がアルカリ性になって黄色ブドウ球菌が増えてしまいます。表皮ブドウ菌が減って肌のバリア機能が落ちる上、黄色ブドウ球菌が増えてしまい皮膚炎を引き起こすのです。

 

そのため、肌トラブルを防ぐには皮膚常在菌のバランスを整え、美肌菌が増えやすい環境を作ってあげることが必要です。

美肌菌を育てるためのポイント

美肌菌を増やす方法があるなら、試してみたいと思う方は多いのではないでしょうか。では、美肌菌を育てるには、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。

 

ここからは、美肌菌の増やし方ポイントを解説していきますので、ぜひ実践して肌環境を整えてください。

  • 保湿
  • 紫外線予防
  • 適度な運動
  • 良質な睡眠
  • 肌への摩擦を極力避ける

保湿

美肌菌は乾燥に弱いので、保湿は必須です。メイクのノリが悪い、肌がテカる、入浴中に肌がかゆくなるのは、肌が乾燥しているサインなので保湿を心がけます。

空気が乾燥する秋・冬だけでなく、夏の冷房も肌を乾きやすくする原因になるので、1年を通じて保湿剤を塗るなど対策が必要です。また、1日1.5〜2リットル程度の水分補給で、体の中からも保湿を心がけましょう。

紫外線予防

紫外線はDNAを傷つけ、肌細胞にダメージを与える上、肌を乾燥させてしまいます。そのため、紫外線対策は美肌菌を育てるのにかかせません。

 

紫外線量は3月頃から増え始めて7月〜8月頃にピークを迎えますが、1年中降り注いでいるので美肌菌には通年の対策が必要です。紫外線から肌を守るには、日焼け止めを塗る、日傘、帽子を使い雨の日や曇りの日も肌を露出しないようにしましょう。

 

出典:年代別のお肌の悩み:30代の方|メディアージュクリニック大阪梅田院
参照:https://mediage-osaka.jp/byage/30s/

適度な運動

肌の状態を弱アルカリ性に保つ汗にも注目し、適度な運動で汗をかきましょう。

 

サラサラの汗は表皮ブドウ菌のエサになり、肌を保護するグリセリンが作られます。軽い運動で汗をかく習慣ができると、汗腺が鍛えられ美肌対策になるのです。そして、汗をかいたら放置せずやさしく洗い流し、スキンケアを怠らないようにしましょう。

良質な睡眠

美肌菌を増やすのに睡眠も重要なポイントです。睡眠中に分泌される睡眠ホルモンは肌の水分量を増やし、抗利尿作用で水分の蒸発を防いでくれます。

 

睡眠不足だと日中に眠くなる、疲れが取れにくい、イライラするなど体調の変化が現れます。このようなときは、適度な入浴や寝る前にブルーライトを浴びない、寝る前に飲食しないといった対策が必要です。

肌への摩擦を極力避ける

美肌菌のために、過度な摩擦にも気を付けましょう。たとえば、頻繁に毛を剃る、垢すりをするといった過剰な肌ケアや、スクラブ洗顔は角質層を傷つける原因になります。

 

美肌菌のいる角質層は肌の一番外側にあって、食品用のラップくらいの厚さしかなく傷つきやすいのです。とくに、洗顔は十分泡立てて摩擦を減らし、タオルで抑えるように水分を拭きとりましょう。

美肌菌を理解して肌の状態を整えよう

角質層のコンディションを整えれば、美肌菌が増えやすい環境を作ってあげられます。角質層を整えるには、ターンオーバーが正常に行われなければなりません。

 

肌がダメージを受けるとターンオーバーのスピードを上げて早く角質層を作ろうとし、保湿因子が少ない未成熟な角質が増えてしまいます。未成熟な角質層は、肌のざらつきや乾燥の原因になり美肌菌が住みにくくなるのです。

 

美肌菌が増えやすい環境にするには、規則正しい生活や十分な保水、紫外線を避けて肌の状態を整えることがなにより大切です。

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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