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【専門家監修】皮膚炎(湿疹)とは?気になる原因や症状について解説

「新しい化粧品を使ったら皮膚炎が出てしまった!」
「肌の赤みや乾燥、もしかしてアトピーなの?」
「繰り返す肌の湿疹、市販の軟膏で治療できる?」
このように、肌がデリケートなことから原因がよくわからないトラブルに悩み、解決策を探している人も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、皮膚炎につながる原因や、原因が特定できる皮膚炎の種類、日常生活で取り入れたい予防、対処法などをまとめました。

 

この記事を読むことで、皮膚炎についてくわしい知識が得られ、肌のトラブルを予防することができます。現在の肌の悩みだけでなく、起きたことがない症状について、事前に知ることもできるでしょう。

 

赤みやかゆみなどに悩まされない、すこやかな肌を目指したいという方は、ぜひチェックしてください。

皮膚炎(湿疹)とは?

皮膚炎とは、肌にかゆみや赤み、ぶつぶつとした肌表面の盛り上がりなどの症状が出るもので、湿疹ともよばれます。かゆみから患部を掻きやすく、ひどくなると発疹の範囲が広がって水ぶくれや膿を持ち、なかなか改善しない症状です。

 

同じ場所にこのような皮膚炎を繰り返すと、苔癬化(たいせんか)と呼ばれる皮膚が硬く分厚い状態になってしまったり色素沈着を起こしたりして、元に戻りにくくなってしまいます。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

皮膚炎とかぶれや蕁麻疹との違い

かぶれや蕁麻疹も皮膚炎の種類に含まれますが、見た目や原因に違いがあります。

 

かぶれは、肌に原因となる物質が触れることで発症するものです。赤みやぶつぶつ、水ぶくれなどが肌の表面に出現し、患部と正常な皮膚との境目がはっきりと分かれているという特徴があります。

 

蕁麻疹は食べ物などが原因で、体内で起こるアレルギーが肌の表面に現れるものです。かゆみのある赤い盛り上がりが現れ、症状がおさまるときれいに消えて元の状態に戻ります。

 

出典:湿疹(皮膚炎)の症状・治療法|大森町駅前内科小児科クリニック
参照:https://omorimachi.com/skin/eczema/

皮膚炎の原因

皮膚炎を起こす原因は、日常生活に数多く潜んでいるため、これらを事前に知っておくのが肌のトラブルを防ぐために、重要といえるでしょう。

 

以下から、皮膚炎を起こす原因として多く知られているものを解説します。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

外的な要因

皮膚炎の外的な要因としてあげられるものは、ハウスダストなどのアレルギーによるものか、皮膚への刺激によるものかにわけられます。

 

一般的にかぶれと呼ばれるものは、基本的には原因となる物質が触れた部分に症状が出るものです。皮膚炎を起こす場所がいつも同じで、繰り返してしまうという場合には、なんらかの物質が接触して炎症を起こしている可能性を疑ってみましょう。

アレルギー反応によるもの

ハウスダストや花粉、化学物質などの原因物質が体内に侵入することで、過剰な反応を起こし皮膚に炎症を起こすケースが、アレルギー反応による皮膚炎です。

 

原因物質が毛穴などから体内に入って、皮膚の免疫細胞から害のある物質と認識されると、異物を排除しようとするため、炎症反応を起こすようになります。1度発症すると、同じ原因で繰り返し起こってしまうのが特徴です。

接触源自体の毒性によるもの

接触したものに含まれる毒性や刺激性により、皮膚表面が傷ついて炎症が起きるケースもあります。アレルギー反応とは異なり、初回の接触でも発症し、誰にでも起こる可能性があるのが特徴です。

 

肌がデリケートな時期や、肌表面のバリア機能が低下している場合は、毒性や刺激が少ない物質でも起こる可能性があります。

内的な要因

内的な要因はその人が持つ体質やアレルギー、時期や加齢による肌の状態など、さまざまなものがあります。

 

皮膚炎の発症は、これらの内的な要因と外的な要因が結びついて起こるものです。内的な要因を以下から解説します。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

アレルギー体質やアトピー素因によるもの

特定の人が持つアレルギー体質やアトピー素因により、皮膚炎を発症する可能性が高まる場合もあります。

 

花粉や化学物質など、身の回りにあるさまざまな原因物質が体内に侵入することで、細胞が過剰に反応し、皮膚が炎症を起こすのがアレルギー体質による皮膚炎です。

 

アトピー素因による皮膚炎は、皮膚本来の水分保持機能やバリア機能が低下しやすいことから、外部からの刺激やアレルギーの原因物質の影響を受けやすくなり、慢性的なかゆみや炎症をともなう症状が出ます。

 

出典:アトピー性皮膚炎|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/atopic.html

全身疾患によるもの

全身疾患による皮膚炎は、皮膚表面への外部からの刺激が原因ではなく、体内の異常が皮膚炎の症状となって現れるものです。

 

内臓疾患やホルモンバランスの乱れ、精神的なストレスなどで免疫力が低下し、体内で起こるさまざまな異常が体の表面に出てくることも少なくありません。原因がよくわからない、治りにくい皮膚炎の症状があったら、医師に相談することをおすすめします。

 

出典:一般皮膚科について|わかたび皮ふ科
参照:https://wakatabi-hifuka.com/general_dermatology.html

年齢によるもの

人間の肌は子供のうちは発達途中のためデリケートですが、加齢とともに乾燥肌になりやすいといわれています。このような年齢による肌質の変化も、皮膚炎をまねく要因のひとつです。

 

子供の場合、生まれてすぐは皮脂が過剰に分泌され乳児湿疹が出やすく、生後4か月を過ぎたあたりから皮脂の分泌が減り、乾燥から皮膚のバリア機能が低下して皮膚炎を発症しやすくなります。おむつかぶれや汗疹など、成長途中の環境による肌トラブルが多いのもこの時期です。

 

成人や高齢者の皮膚炎は、加齢とともに水分を保持する機能が低下して乾燥しやすくなり、刺激への反応が過剰になって、肌のトラブルにつながるケースが多いとされています。

 

出典:小児皮膚科|おだ内科・皮フ科
参照:https://edocli.com/pediatric.html

 

出典:湿疹・かぶれ|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

皮膚炎の症状や経過

皮膚炎の症状は、湿疹三角と呼ばれる皮膚炎の進行図に沿って、形状を変えながら悪化、もしくは治癒していきます。

 

最初は皮膚の赤み程度だった症状も、皮膚が盛り上がったり水ぶくれや膿をもったりしながら、時間の経過とともに状態が変わっていきます。

 

かゆみをともなうものは治りかけに搔いてしまい、かさぶたをはがしてしまうことでなかなか治癒せず、悪化するケースも少なくないでしょう。

 

これを繰り返すと症状が慢性化して皮膚が分厚くなり、色素沈着を起こす可能性もあります。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

皮膚炎の呼び方

皮膚炎は、症状が出て何度も掻くことで状態を悪化させた急性湿疹と、湿疹を掻き続けたことによって、皮膚の状態が変化している慢性湿疹に区別されます。

 

皮膚炎は原因がはっきりしないものも多く、繰り返しやすい肌のトラブルです。症状を悪化させず、長引かせないためにも、自分の体質や外的な要因など原因になるものを探る必要があるでしょう。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

 

出典:急性湿疹・慢性湿疹|松島皮膚科医院
参照:https://www.matsushima-hifuka.com/eczema/

原因が特定できている皮膚炎の種類

原因がわからないものも多い皮膚炎ですが、ここからは原因が特定できる皮膚炎の種類を解説します。

 

解説する原因や症状に心当たりがあれば、状態にあった対策を取ってみてはいかがでしょうか。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

特定の物質による「接触皮膚炎(かぶれ)」

皮膚に付着した、特定の物質の刺激や毒性で炎症反応を起こしたり、アレルギー反応を引き起こしたりするものを、接触皮膚炎(かぶれ)と呼びます。

 

ハウスダストや花粉、ダニ、細菌などの環境によるもの以外にも、衣服やアクセサリー、化粧品、薬品などに含まれる金属や化学物質なども原因となる可能性があります。原因物質を特定するには、医療機関で受けられるパッチテストが有用です。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

アトピー素因が関係している「アトピー性皮膚炎」

アトピー素因が関係しているアトピー性皮膚炎は、症状がよくなったり悪化したりを繰り返し、特有の慢性的な湿疹がみられるものです。

 

アトピー素因とは、本人や血のつながっている家族が気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症などのアレルギー疾患を持っていることや、皮膚機能の障害やかゆみが誘導されやすい体質をさします。

 

これに加えて、ハウスダストやダニ、汗、乾燥などさまざまな外的要因で、症状が悪化しやすい傾向があり、長期間続いた場合にアトピー性皮膚炎と診断されます。

 

皮膚が弱いことが原因であるため、年齢が上がるにつれて自然に治癒する可能性が高いといわれますが、成人になっても治癒しない場合、重症例として残りやすい病気です。

 

出典:アトピー性皮膚炎|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/atopic.html

水や洗剤などでなりやすい「手湿疹」

普段から水仕事や洗剤を素手で扱うことが多いと、手湿疹にもなりやすいでしょう。手を洗う回数が多い仕事の方に出やすい、いわゆる手荒れ、主婦湿疹と呼ばれることもある症状です。

 

手の甲や指先、手のひらの乾燥から皮膚の赤みや皮むけ、水ぶくれ、あかぎれなど、ひどくなるとかゆみや痛みを生じるように悪化していきます。

 

手を水や洗剤にさらすのを避けることで予防できるため、ゴム手袋の着用などがおすすめです。蒸れが気になる場合は、綿の手袋を下に装着しましょう。

 

出典:手湿疹(手荒れ)|新宿駅前クリニック
参照:https://www.shinjyuku-ekimae-clinic.info/hihuka/te.html

フケが出たりする「脂漏性皮膚炎」

頭皮のフケが多くなったり、眉毛や鼻の両脇の赤みが気になったりする場合は、脂漏性皮膚炎の可能性があります。かゆみは強くないですが、皮脂の分泌が盛んな部分に出やすい皮膚炎で、油っぽいカスのようなものが皮膚にこびりついているのが特徴です。

 

一旦症状が出始めると慢性的に続く傾向にあり、近年では肌に常駐しているカビが原因ともいわれています。自然に治癒するのは難しいため、皮膚科を受診するのがおすすめです。

 

予防法として、洗顔や洗髪で皮脂の分泌が多い部分を清潔に保つことと、食生活を見直し、脂質や糖分、アルコールなどを控えて、ビタミンB群を多めに摂取することが重要とされています。規則正しい生活で、肌にストレスを与えないよう心がけましょう。

 

出典:脂漏性皮膚炎|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/seborrheic.html

乾燥によって起きる「皮脂欠乏性湿疹」

皮膚の乾燥によりかゆみや赤みが出た状態が、皮脂欠乏性湿疹です。さらに、加齢によって皮膚が乾燥してきめが粗くなり、粉をふいたような状態になっているものを、老人性乾皮症と呼びます。

 

加齢が原因で、肌の表面の水分の蒸発を防ぐ皮脂や、水分を保持するセラミド、そのほかの保湿因子が減少していきます。その結果、皮膚が薄くなって刺激を感じる感覚神経が反応しやすくなり、軽度の刺激でもかゆみなどが出やすくなるのです。

 

日常生活でとくに注意したいのが、肌を乾燥させやすい入浴です。39℃程度のぬるめのお湯につかり、石鹸などはたっぷりと泡立て、肌をこすりすぎないよう、手や綿のタオルでやさしく洗います。

 

また、加湿器などで部屋の湿度を40~60%に保ち、衣服や寝具は柔らかい綿などの素材を選ぶようにしましょう。アルコールや香辛料など、体温の上昇からのかゆみをまねきやすい食生活にも注意が必要です。

 

出典:皮脂欠乏性湿疹・乾皮症|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/asteatoticeczema.html

コイン状の湿疹ができる「貨幣状湿疹」

丸いコインのような湿疹がいくつも現れ、強いかゆみをともなうのが、貨幣状湿疹です。下半身やすねなど、乾燥しやすい箇所に出やすいといわれています。

 

秋から冬の乾燥しやすい時期に多い症状ですが、虫刺されや金属アレルギー、接触性皮膚炎、細菌感染などから慢性的な湿疹につながり、やがて貨幣状湿疹へ移行するケースもあります。

 

皮膚の乾燥から発症しやすいため、部屋の加湿や入浴後の保湿剤の使用が有用です。アレルギーや細菌感染が原因の場合は、それらの検査と治療も必要となるでしょう。

 

出典:貨幣状湿疹|あやこ長久手皮ふ科
参照:https://ayako-clinic.jp/symptoms/dermatology/case16

水ぶくれができる「汗疱」

手のひらや足の裏にできるこまかい水ぶくれが、汗疱です。汗が原因で発症する汗疹の一種で、異汗性湿疹とも呼ばれています。

 

手足の汗で角質層がふやけて汗の出口をふさぎ、皮膚内部に詰まった汗が炎症を引き起こす皮膚炎です。手足に汗をかきやすい人に発症しやすく、皮膚の深いところに原因があるため、外用薬だけでは治りにくいという特徴があります。

 

症状が続くと、小さな水ぶくれから赤みやかゆみが出始め、皮がむけていきます。このときに水仕事や洗剤で手湿疹(手荒れ)を併発するケースも多く、やっかいな病気です。長引くと日常生活に支障をきたすため、早めに受診しましょう。

 

出典:汗疱(異汗性湿疹)・手荒れ(主婦湿疹)|アース皮ふ科クリニック
参照:https://nshc.com/disease/disease-eczema/

皮膚炎の4つの予防方法

肌のトラブルを予防するには、日常的に肌を健康に保つための習慣を続けることが重要といえます。

 

ここから紹介する、生活の中でも取り入れやすい4つの予防方法で、すこやかな肌を育てていきましょう。

1:きちんとスキンケアをする

入浴後や洗顔後、水仕事のあとには、すばやくスキンケアすることを心がけるのが重要です。

 

とくに入浴後や洗顔後は、保湿剤による早めのスキンケアが、肌の乾燥を防ぐために効果的といわれています。敏感になった肌にもやさしく使えるローションなどを選び、毎日の習慣で肌のトラブルを防ぎましょう。

2:原因物質に触れないようにする

肌への刺激になるものや、皮膚炎の原因物質となるものには触れないように気をつけましょう。

 

化粧品や薬品でかぶれたときには使用を止めて、医療機関へ原因となったものを持参し、受診しましょう。金属アレルギーの原因として多くあげられるのは、ピアスなどのアクセサリー類ですが、ジーンズのボタンやベルトのバックルで、下腹部に湿疹が現れるケースもあります。

 

ほかにも、日常的に使用する寝具や衣類は清潔に保ち、ハウスダストやダニを防ぐため室内の清掃を心がけてください。

 

出典:金属アレルギー|とみよし皮膚科クリニック
参照:https://www.tomiyoshihifu.com/symptoms_11/

3:肌を清潔に保つようにする

原因物質を肌に残さないよう、肌を清潔に保ちましょう。肌に汚れを残しておくと細菌などの増殖につながり、トラブルを起こしたり悪化させたりする原因にもなります。

 

入浴や洗顔時にはこすりすぎて肌を傷つけないよう、洗浄力の強すぎない石鹸などをたっぷりと泡立て、やさしく洗いましょう。

4:汗をかいたら放置しないようにする

汗をかいたら放置せず、こまめに拭き取ったりシャワーを浴びたりといった対策を取りましょう。

 

汗管を詰まらせて炎症が起きる汗疹以外にも、汗に含まれる塩分やアンモニアが肌への刺激となり、接触性皮膚炎の原因となる可能性もあるのです。ほかにも、かいた汗をそのままにしていると、アトピー性皮膚炎を悪化させるともいわれています。

 

汗をかいたらハンカチや汗拭きシートでこまめに拭き取り、在宅時はぬるめのシャワーで洗い流して、正しいスキンケアをおこないましょう。

 

出典:汗と皮膚炎の関係|ららぽーと横浜クリニック
参照:https://lala-clinic.jp/article.php/2021040216013341

皮膚炎の対処法

皮膚炎への対処法は、患部を掻かないようにすることと、ステロイド外用剤を適切に使用するのがポイントです。

 

かゆみをともなう皮膚炎は、治りかけても患部を掻いてしまうことで刺激を与えてしまい、再度悪化するケースがあります。皮膚への刺激につながるハウスダストや、アレルギーなどの原因を取り除き、普段から患部を掻かないよう心がけましょう。

 

症状が長引く場合は、保湿剤のみでは完治が難しいため、速やかに受診しましょう。治療にはステロイド外用剤が用いられますが、皮膚への副作用を考慮して使用する必要があります。医師の指示に従って使用してください。

 

繰り返しやすい皮膚炎は、しっかりと治して習慣的に予防することが重要といえるでしょう。

 

出典:ステロイド外用剤について|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/steroid.html

皮膚炎と一緒に覚えておくといい「痒疹(ようしん)」

痒疹とは、かゆみの強い丘疹(きゅうしん)と呼ばれるドーム状の皮膚の盛り上がりや、悪化して丘疹が固くなる結節(けっせつ)がみられる病気です。

 

虫刺されが発症のきっかけになることが多く、幼児から高齢者まで幅広くみられる病気ですが、とくに糖尿病などの基礎疾患がある場合、慢性化するケースがあります。

 

ここから、年齢や体の状態によって発症しやすい痒疹について、くわしく解説していきます。

 

出典:痒疹(ようしん)|山手皮フ科クリニック
参照:https://www.yamate-clinic.com/youshinn.html

中高年に多い「慢性痒疹」

痒疹の症状が数週間、長いと数年続いたものが慢性痒疹です。強いかゆみをともない、完治しにくいのが特徴とされています。

 

慢性痒疹は、掻きむしることでできた結節が四肢にみられる結節性痒疹と、わき腹やお尻、胸などに再発しやすいこまかい結節がみられる多形慢性痒疹にわけられます。

 

ステロイド外用剤や紫外線治療が有用とされていますが、完治しにくいものは内臓疾患の疑いもあるため、全身検査をおこなう場合もあるでしょう。基礎疾患などがある場合、内科と皮膚科両方の治療が必要です。

 

出典:痒疹|ひふ科大山クリニック
参照:https://tsushima-hifuka.com/medical_content/%E7%97%92%E7%96%B9/

子供に多い「急性痒疹」

虫などに刺されたときにみられる、強いかゆみと赤くはれた丘疹が現れた状態が急性痒疹の初期反応です。虫刺されで現れる丘疹は子供に多くみられますが、成人や高齢者でも現れやすい反応といえるでしょう。

 

刺された患部を薬で治療した数日後に、別の場所に丘疹や結節が現れるものをストルフルスといい、これはアレルギー反応によるものといわれています。

 

時間が経過しても治らず、搔きむしることで丘疹が結節に変わり、亜急性痒疹から慢性痒疹へつながるケースもあります。アトピー素因がある場合は悪化しやすいため、虫刺されにも注意が必要です。

 

出典:痒疹|ひふ科大山クリニック
参照:https://tsushima-hifuka.com/medical_content/%E7%97%92%E7%96%B9/

妊娠時や全身疾患によって現れる痒疹

妊娠時に全身に現れやすい痒疹は、妊娠性痒疹とよばれ、出産後には改善することが多い症状です。ほかにも、アルコールの過剰摂取で鼻や頬が常に赤くなる酒さや、免疫力の低下で現れる帯状疱疹など、皮膚科を受診することで見つかる体内の病気も数多くあります。

 

皮膚科の専門医は、デルマドロームとよばれる技術で、皮膚に現れるさまざまな症状や体の状態から、内臓の病気を見つけることができます。

 

皮膚には心と体の不調も現れやすいといわれているため、気になる症状がある場合は医師に相談してみましょう。

 

出典:皮膚と内臓の病気|佐々木皮膚科
参照:https://www.sasakihihuka.com/dermadrome/

いろいろな原因によって起こる皮膚炎について知っておこう

ここまで、さまざまな原因で起きる皮膚炎や症状、対策について解説してきました。

 

皮膚炎を予防するためには、日常生活で肌のトラブルの原因となるものをできるだけ取り除き、肌にやさしいスキンケアをおこなうことが重要です。完治しにくい場合には、適切な治療を受けるため、医師に相談する必要も出てくるでしょう。

 

この記事を参考に、すこやかな肌を保つための習慣を取り入れてみてください。

 

出典:湿疹|さぎのみや皮膚科クリニック
参照:https://www.saginomiya-hifuka.com/eczema.html

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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