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【専門家監修】大人のニキビの治し方とは?できる原因や予防する方法などを解説

「乾燥肌なのにニキビができてしまうのはなぜ?」
「大人ニキビを改善するにはどうしたらいいのかな?」
「ニキビを予防する方法を知りたい」
思春期のシンボルというイメージのあるニキビですが、大人になっても繰り返しできてしまうニキビに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、ニキビができる原因や、進行によって段階的に変わる症状と治し方について解説します。また、ニキビを改善するにはどのようなポイントに気を付けたら良いのか、できた場所別にセルフケアのコツを紹介しています。

 

この記事を読むことで、日常生活の中でできるニキビの予防方法についても知ることができるため、肌のコンディションをよりよく保てるようになるでしょう。

 

大人ニキビに悩んでいる方やすこやかな肌を手に入れたい方はぜひ読んでみてください。

ニキビの治し方はあるの?

ニキビは、慢性炎症性疾患に区分される皮膚の病気です。

 

皮脂が過剰に分泌されたり、皮膚のターンオーバーがうまくいかなかったりすると、毛穴が詰まった状態になります。その毛穴がふさがれた部分にニキビの元となるアクネ菌が増殖し、赤い発疹や膿を伴う隆起を起こしたものが、一般にニキビと呼ばれる炎症です。

 

ニキビの治し方は、日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビをできにくくする薬や炎症を抑える抗生物質の飲み薬や塗り薬を使うことが強く推奨されています。

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軽症であればスキンケアに気をつけるなどして日常生活の中で改善できることもあるため、ニキビについての正しい知識を身に付けて日頃の習慣を見直し、ニキビの発生や悪化を防ぐことが大切です。

 

出典:皮膚科Q&A「にきび」|公益社団法人日本皮膚科学会
参照:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/index.html

ニキビができる原因

大人のニキビが発生する仕組みは思春期のニキビと同じですが、発生原因には男性ホルモンの活性化だけでなく生活習慣や環境が影響していると考えられています。

 

大人のニキビの要因として挙げられるのが、不規則な生活やストレス、食生活の乱れ、不適切なスキンケアなどです。これらはホルモンや皮脂の分泌に悪影響を及ぼし、ニキビを発生させたり悪化させたりします。

 

また、女性の場合は婦人科系の疾患に伴うホルモン異常が元になっているケースもあります。

段階別による大人のニキビの治し方

ニキビには4つの段階があり、進行に応じて症状が変わります。

 

ここからは、それぞれの段階について症状の特徴や治し方を紹介します。長い期間放置していると炎症が悪化したり跡が残ってしまったりする可能性もあるため、早めの対応を心がけましょう。

初期段階にできる白ニキビ

ニキビに皮膚のあぶらである皮脂が詰まるなどして毛穴がふさがっている状態を面皰(めんぽう)といい、これがニキビの初期段階です。まだ毛穴の表面が閉じていて、発疹が白っぽく見える状態が白ニキビと呼ばれます。

 

白ニキビのケアは、肌を清潔な状態に保ちしっかり保湿することが大切です。自分でニキビをつぶすなど治し方を間違えると、毛穴が開いたり跡が残ったりする可能性があります。

 

生活習慣や日頃のケアに気をつけても白ニキビが繰り返しできてしまう場合は、専門医の治療を受けましょう。

第二段階にできる黒ニキビ

白ニキビの状態からさらに進むと、毛穴に詰まった皮脂に押し出されるようにして毛穴が開きます。古い皮脂などが空気に触れることで酸化し、変色して毛穴が黒っぽく見える状態が黒ニキビです。

 

黒ニキビができてしまったら、洗顔と十分な保湿を心がけましょう。角質を柔らかくして肌のターンオーバーを正常化させることで、毛穴を目立ちにくくする効果も期待できます。

 

また、皮膚科では薬や器具を使って詰まった毛穴をケアする治療も行っています。

第三段階にできる赤ニキビ

黒ニキビが進行すると、皮脂の詰まった毛穴でアクネ菌などの細菌が増殖して炎症を起こします。炎症によってニキビの周りが赤く腫れた状態になったものが赤ニキビです。

 

赤ニキビの治し方は、細菌を抑えるための抗生剤が必要です。塗り薬のほか、症状が強い場合は飲み薬が処方されるケースもあるため早めに専門医にみてもらいましょう。

 

ニキビの膿を出そうと自分でつぶすことは避けましょう。傷ついた毛穴で雑菌の感染が起こって症状が悪化したり、ニキビ跡が残りやすくなったりすることがあるためです。

 

出典:赤みを伴うニキビ(ざ瘡)の原因と治療について|ここクリニック皮フ科アレルギー科
参照:https://koko-clinic.com/blog/%E8%B5%A4%E3%81%BF%E3%82%92%E4%BC%B4%E3%81%86%E3%83%8B%E3%82%AD%E3%83%93%EF%BC%88%E3%81%96%E7%98%A1%EF%BC%89%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

第四段階にできる黄ニキビ

黄ニキビは、ニキビの中でアクネ菌だけでなくブドウ球菌なども増殖して重度の炎症が起こったもので、悪化したニキビの最終段階です。黄味がかった膿が毛穴にたまった様子から黄ニキビと呼ばれます。

 

黄ニキビは重い炎症を伴うため自己流の治し方で対処することは難しいでしょう。治療には、炎症を早く抑えるための抗生物質を処方されるのが一般的です。

 

また、黄ニキビは皮膚組織の深いところまで傷ついてしまっていることが多く、炎症がおさまったとしてもへこみや跡が残ったり、色素沈着を起こしたりすることがあります。

 

ニキビ跡を目立たないようにする治療もありますが、黄ニキビの状態まで進行する前に医療機関を受診した方が良いでしょう。

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出典:黄にきびとは|湘南美容クリニック
参照:https://www.sbc-mens.net/contents/nikibi/nikibi-ki.html

できた場所別による大人のニキビの治し方

顔のさまざまな部位や背中にもできることのある大人ニキビは、どのようにケアしたら良いのでしょうか。

 

ここではニキビができてしまった場所別にセルフケアのポイントを紹介します。初期ニキビの治し方の参考にしてみてください。

背中にニキビができた場合

中学生や高校生のころのニキビは顔にできることが多いですが、大人のニキビは背中にできることも少なくありません。見えにくい位置で悪化させがちな背中のニキビを改善するには、肌を清潔に保ち、できてしまったニキビへの刺激を減らすことが大切です。

 

しかし、きれいに洗いたいからといって、背中をゴシゴシと力を入れて洗うのは避けましょう。摩擦によってニキビが傷ついて、かえって悪化を招くことがあります。

 

また、ボディーソープなどの洗い残しも肌への刺激になる場合があります。体を洗うときだけでなく、シャンプーやリンスをするときも背中までしっかりすすぐことを心がけましょう。

あごにニキビができた場合

あごの周りは乾燥しやすく、皮脂の分泌が過剰になりがちな場所だとされています。

 

あごのニキビを改善する方法としては、保湿ケアが重要です。肌の乾燥が原因で起こる毛穴詰まりの可能性を下げるためにも、洗顔後にはたっぷりと保湿しましょう。

 

また、あごはつい手で触れてしまいがちな場所でもあります。ニキビに雑菌が入り込むと症状の悪化につながりかねないため、なるべくあごに触れないようにして刺激を避けましょう。

ほほにニキビができた場合

ほほにできたニキビが白ニキビや黒ニキビの状態であれば、洗顔と十分な保湿で症状の改善が期待できるでしょう。

 

保湿をしっかり行うほか、ほほへの刺激を避けるようにすることも意識します。髪の毛がほほにかからないようにする、ほおづえはつかない、など日常生活から気を配るようにしましょう。

鼻にニキビができた場合

鼻には毛穴が多く、皮脂の分泌も活発なためニキビができやすい場所の一つです。また、炎症を起こして毛穴が大きくなってしまったり跡が残ったりすると目立ちやすい場所でもあります。

 

他の場所にできたニキビと同様に、肌への刺激を避け、洗顔と保湿を心がけて白ニキビや黒ニキビの段階で治してしまう方が安心でしょう。炎症が起こって腫れや赤みが出てしまった場合は、早めに専門医に相談して治療を行った方が良いでしょう。

おでこにニキビができた場合

おでこにニキビができてしまったら、まずはニキビになるべく刺激を与えないようにします。髪形を工夫して前髪がおでこにかからないようにしたり、おでこに手が触れないよう気をつけたりすると良いでしょう。

 

また、正しい洗顔で肌の汚れや余計な皮脂を取り除くこともニキビの改善に効果的です。その際には、おでこや髪の生え際に洗顔料やクレンジング剤が残らないように気をつけましょう。入浴時のシャンプーやリンスのすすぎ残しにも注意が必要です。

ニキビを予防する方法

ニキビができる原因には、紫外線や乾燥といった外的要因や、ストレスや食事などの内的要因などさまざまな要素が関係しています。それらの要素を抑えることができれば肌のコンディションをよりよく保つことができるでしょう。

 

ここからは日常生活で取り入れたいニキビ予防のポイントを6つ紹介します。日頃の生活や習慣と比べながらチェックしてみてください。

ストレスを解消する

人がストレスを感じると体内で活性酸素が作られ、免疫力が低下を引き起こします。免疫力が低くなると、ニキビの元となる菌の増殖が起きやすくなったりニキビが治りにくくなったりするなど、肌にも悪影響を及ぼします。

 

すこやかな肌を保つためには、入浴でリラックスする、適度な運動を取り入れる、など普段の生活の中からストレスを緩和する方法を見つけておくと良いでしょう。

 

出典:3月 食事から始める肌荒れ・ニキビ対策!|全国健康保険協会
参照:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/270301/

紫外線予防をする

紫外線による肌への刺激は、日焼けの問題だけでなく、皮脂分泌の活発化や角質異常に影響してニキビの原因になると考えられています。

 

ニキビを予防するためには、外出する際に日焼け止めを塗ったり日傘を使用したりして、できるだけ紫外線を浴びないように気をつけましょう。

 

出典:紫外線|アクネクリニック
参照:https://www.nikibic.net/lab/cause/ultraviolet/

保湿をする

思春期のニキビは皮脂が過剰に分泌されたいわゆるオイリー肌にできることが多いですが、大人のニキビは乾燥肌にできやすいという特徴があります。

 

肌の水分不足が原因で皮脂の分泌が促されたり、毛穴が詰まりやすくなったりすることがあるため、ニキビ予防には十分に保湿することが大切です。

 

特に洗顔後にしっかり保湿することを習慣にすると、肌のターンオーバーなどコンディションを整える機能の正常化につながります。ニキビのできにくいみずみずしい肌を保つことができるでしょう。

 

出典:保湿でニキビを治す|アクネクリニック
参照:https://www.nikibic.net/lab/treatment/self/moistureretention/

やさしく顔を洗う

ニキビ予防には洗顔で肌についた汚れや余分な皮脂を落とすことが効果的です。しかし、ゴシゴシとこすったり一日に何度も洗顔したりすることは、かえって肌状態の悪化を招く恐れがあるため注意してください。

 

顔を洗うときには洗顔料をよく泡立て、ネットなどではなく手を使ってやさしく洗いましょう。すすぎの際には洗顔料が顔に残らないようしっかり洗い流します。

 

また、洗顔後の肌は乾燥しがちになるため、保湿剤を使うなどして十分な保湿を心がけましょう。

 

出典:皮膚科Q&A「にきび」|公益社団法人日本皮膚科学会
参照:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q16.html

食事に気を付ける

例えばダイエットしようと野菜だけを食べるなど偏った食事を続けると、栄養バランスが崩れて肌のコンディションが悪化することがあります。食生活の乱れは肌荒れやニキビの原因となるため、日頃の食事に気を付けてさまざまな栄養素を摂取するようにしましょう。

 

体を作るたんぱく質をはじめ、抗酸化作用が高い緑黄色野菜や皮膚を丈夫に保つ働きのあるビタミンCも肌改善に有効な栄養素です。またニキビの予防には、ビタミンB1やビタミンB2、ビタミンEを積極的に摂ると、皮脂の分泌を調整し肌を整える働きが期待できます。

 

出典:3月 食事から始める肌荒れ・ニキビ対策!|全国健康保険協会
参照:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/270301/

十分な睡眠をとる

ニキビが発生する大きな原因の一つが皮脂の過剰な分泌です。この皮脂の分泌には体内のホルモンが大きく関与しており、不規則な生活や睡眠不足でホルモンバランスが崩れるとニキビができやすい肌環境になってしまう可能性があります。

 

ホルモンバランスの乱れを予防するためには、生活リズムを整え、十分な睡眠をとることを心がけましょう。

 

出典:皮膚科Q&A「にきび」|公益社団法人日本皮膚科学会
参照:https://www.dermatol.or.jp/qa/qa3/q22.html

ニキビの治し方や予防方法を知っておこう

大人のニキビができる原因は肌の状態だけでなく、生活習慣など複合的な要素が絡んでいます。そのためニキビのケアに一晩や一日で治せるような即効性を求めるのは難しく、日常生活で体の内外から適切なケアをしていくことが必要です。

 

大人ニキビができてしまう原因や治す方法について知ることは、ニキビの発生や悪化を防ぐことにつながります。ニキビのない健康な肌を保てるよう、この記事で紹介した予防方法をぜひ日頃のケアに取り入れてみてください。

 

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監修者
青山ラジュボークリニック
https://rajeubeau-clinic.com/wp/
院長 沼本 秀樹 先生(医学博士)

順天堂大学医学部卒業。医師としてアトピーや敏感肌などの悩みを持った患者と数多く向き合ってきた経験から自身で東京青山にて美容系ラジュボークリニックを開業。女性の肌の悩みを解決できる良質なサービスを提供し続けている。

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